1999(2)

Coffee House 「拾得」

家のことが決まってから
ヘンタイ大工の仕事を幾つか見ることになった
宮大工出身で、
(みやだいく、である。高校野球に出ているような学校の略称と錯覚してはいけない)
詩人であり、英語を喋り
京都では、拾得、さらさを手がけた人物で、
手法は斬新だが住むには少々難しく
夜に所要で電話をかけるともう呂律が回っておらず、
工事の度に資金繰りは苦しく自転車操業であった

「拾得」は「じっとく」と呼ばれ、
店の看板としては「ライブハウス」でなく、今でも「Coffee House」と今でも
音楽も、機材も、
今でも時間が停まってしまったかのように錯覚に陥り、
たったひとつ違うのは、観客のそれぞれの手のひらに収まった携帯電話の存在のみのように思うのである。
そして、冷や奴、サラダ、みそ汁、香の物、玄米ご飯からなる
「玄米定食」はやっぱりメニューとして今なお健在である。

出演者は、狭い屋根裏部屋でくつろぎ、ショータイムが近づくと、
階段を降りてくる、
姿が見えると、観客の拍手があり、
「拾得」ならではの光景である
責任者のテリーさんによると、この黒光りする古めかしい階段も、
いまさらながら蛇口をくいっとひねる手洗いの造り(下の写真)もその大工の仕事
彼の手がけた仕事の多くは資金が潤沢である訳ではなかったであろう、
ここも当時は素人の手が集められたの違いないと空想するのである。

「さらさ」富小路

京都では有名なカフェ「さらさ」であるが、
2005年当時は出店数も少なく富小路に彼の仕事による店があった

江戸時代の呉服屋をリフォームした
店内の床板は小学校の体育館のものを譲り受け、
それを店内の造りにあわせて組み入れたものだから、
体育館の床に描かれた白や黄色の模様が面白く、
誰のアイデアかは分からないのだがなかなか小粋であった
天井は町家の天井をぶち抜き、
床は土壁の上から何のおかまいもなしに
塗料をそのまま塗り付けたワイルドな造り

現在は四条寄りの「さらさ花遊小路」に移転したが、
休みの昼になるといっぱいでよく繁盛している

グァバジェリー

事例ということでさらにもうひとつ、
そちらが北山にあったグァバジェリーというアートなお店であったが、
こちらはビルのテナントのスペースを改造したカフェで
店の正面には木製の電信棒を加工して作った巨大な回転扉があり、
同時に流木家具やひょうたん型のスピーカーを販売していた記憶がある。
店はなくなってしまったが、風の噂では(というか、Webで検索すると)
別のお店を経営されているとのことのようである。

広告